シンポジウムメモ アトピー性皮膚炎がもたらす患者への深刻な影響 ―社会課題としてアレルギー疾患対策を考える―

アトピー性皮膚炎がもたらす患者への深刻な影響
―社会課題としてアレルギー疾患対策を考える―
http://www.allergy.gr.jp/activity/blog/articles/2017/article201711181211.html
有楽町 東京国際フォーラム 7階

演題1 アトピー性皮膚炎の疾病負荷と治療満足に関する研究報告
     九州大学大学院医学研究院 体表感知学講座
     准教授 中原 剛士 先生(皮膚科専門医)

演題2 アトピー性皮膚炎患者の変える治療と生活への負担
     認定NPO法人日本アレルギー友の会
     副理事長 丸山 恵理氏

パネルディスカッション
         社会問題としてのアレルギー疾患対策
    -アトピー性皮膚炎患者の疾病負荷をテーマとして―
     パネリスト:中原剛士先生・丸山恵理氏
           中山和弘先生(聖路加国際大学看護情報学 教授)
           武田飛呂城氏(日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長)

アトピー性皮膚炎の疾病負荷(病気を持つうえでの負担)の深刻さ
(かゆみや皮膚症状の辛さ、私生活や社会生活への影響や精神的苦痛など)は、
患者の生活や人生に大きな影響を及ぼしています。
本シンポジウムではアトピー性皮膚炎とその疾病負荷に対する理解を深めていただく
とともに、患者数が増加するアレルギー疾患に対する対策を社会課題ととらえる中で、
今後のアトピー性皮膚炎の治療や患者支援について、
医療提供体制の在り方も含めて考えていきます。

 


中原剛士
疾病負荷 QOL 精神的影響

経過は様々。
皮膚炎 Th2
アドヒアランスとは、患者が治療を理解し、積極的に治療に参加することがすべての段階で重要。

治療の中で、疾病負荷軽減が重要。
軽度の患者でも、薬の効果に満足しているのは3割。
行動の制限、仕事や学業に影響。
AD(アトピー)とほかの障害をくらべて、ADのほうが重傷でも仕事に行っている。

診療室以外でも認知され、治療されるようにする。学校、社会全体。

丸山恵理
アレルギー友の会では医師に長時間聞ける。
子供が痒みを訴え、家族が不眠。
うつ病

慢性疾患ということを理解できず、「完治」させるために代替医療へ走る人も。

痒み日誌を公開している。会のウェブサイトにて。空色レターで、これを使って医師に情報共有。

 

中山和弘
ヘルスリテラシについて。
健康の根っこにあるもの。
日本語にすると「健康を決める力」。
リテラシーとは、レター、が由来。OECD
文字が読めることは人権。

フレイル ブラジルの文字を知らされていない人々は沈黙させられている。
なぜ情報を理解できないのか。だれもが権利がある。批判的リテラシー
ナットビーム
ヘルスリテラシーには3段階。
医療者、家族職場などに働きかけ、変化させるちからまである。 これで環境が変わって行く。

どういう力があれば可能か?
情報源を理解し・・・意思決定、健康。
国際比較だと、日本は不足。
日本は入手や意思決定が難しい。教育時間も短い。海外のように家庭医がおらず、教育していない。
英語で検索するといい情報がたくさん。
日本ではいい情報はあるが、見つけにくい。

ビュートゾロフ 在宅ケア組織。

医師とのコミュ ティーチバックが世界的に推奨されている。教え直す。高学歴な人ほど、わかってなくてもわかりました、と答える。

医療者にもヘルスリテラシーがある。

患者に質問を推奨する。つくばでも作っている。

ネット情報を精査するための、い・な・か・も・ち。

自己決定のためには・・・
患者のニーズ生活の中でどうなのか、という価値観。2つ以上の選択肢から選ぶ。

選択肢のだしかた。ディシジョンエイド。
自分は何か大事か、そしてエビデンスがあるか。
これによって、ベストの選択だと思える。リスクもしってる。納得できる。何やってもこうかいはする。

そして、健康になった情報を共有していく。そしてそれが情報源になる。

武田
自己管理について。
最初は暗いイメージがあったが・・・。
やらされる感。
本来はやりたいことをする、自分のためのもの。慢性疾患セルフマネジメント協会。
アメリカの大学に自己管理支援をしているセンターがある。気持ちと、知識の支援。これは自己効力感を使っている。人は、何か新しいことををするとき、できそうかどうか、どんな結果になるかを考え、それを元に行動する。
その自身をつけるために、支援する。

病気があると、できないことが増えて、自己効力感が下がってしまうことがわかっている。新しいことをする気持ちがなくなってしまう。

自己効力感を高めるためには?成功体験、他者の成功体験、励まし、喜び心地よさ。

CDSMPでこの4つが達成できる。

慢性疾患患者が直面する課題。
長期にわたる。


パネルディスカッション
疾患啓発
中原 ;2つ。1こは医療従事者が理解できていないこと。
2こは、アレルギー疾患への対策が変わらなくてはいけないだろう。

一こ目について。単なる皮膚の病気とおもわれているが、簡単に考えられがち。薬でコントロールできと。しかし、調査すると、負担は大きい。単なる皮膚だけの病気ではない。

学校、社会全体でどれだけ理解、配慮があるのか。十分ではない。

丸山恵理
一番は、医療不信。迷っている患者が沢山いる。
これがアトピーだけの状況。セルフコントロール、ヘルスリテラシーは重要。
会でも支援はしているが、ボランティアでは限界。行政、社会的にサポートができるようになってほしい。

武田
自己管理をどう社会で支援していくか。
社会のアトピー認識がたりない。
いくら自己管理をしても悪化することがある。

治ってから出てきてね、と言われても。。
よくなったり悪くなったりを繰り返す病気であり、本人の責任ではないということをしってほしい。

状態にも個人差があり、一人がよくなったからといっても他の人に当てはまるわけではない。社会も、患者も知らなければいけない。代替医療に走らないためにも。

中山
慢性疾患
意思決定 エビデンスをしる。

話を聞いてくれる医師は信頼できるという患者が多いが、これからは科学的根拠まで説明してくれる医師が求められてくるのではないか。

アメリカでは代替医療、民間療法について医師が説明するように医師が教育されている。

ガンについては、民間療法のえびでんすのなさが、学会ででている。緩和学会?

いいウェブサイトがどこにあるのかが、日本では周知されていない。これを広めていきたい。

慢性疾患は長く付き合っていかなければならない。いくつかの選択肢から、自分の価値観を含めて選択していく。共有する、広める。

患者の語りのデータベース ディティックす。
どういうことがあったかデータベースかする。

人は一人では学習できない。他の人の失敗をみて学習している。その支援をする中で、自分は何を重視するのかを決めていく。

患者支援
武田
技術を伝えるだけでなく、自己管理できる支援。
本人がやる気がないときは?

女性
親だけがやる気の場合は?脱ステロイド盲信してる人もいるが、すこしづつ伝えている。頑張ってることも褒めつつ。

中原
Q意欲のない患者へは?
A 患者それぞれの状況が確かにある。気持ちや病態をかんじとってサポート、環境。

中山
Q意欲の低い人たちへヘルスリテラシーを上げるためには?
A自己効力感の部分がかなり多いので、高める技術で高めたい。やり方があるkとを知ることもヘルスリテラシー。他の人の情報を知る、褒め合う、成功失敗談という環境を作っていく。下地として自信をつけていく。

なぜ自信が持てないのかの理論まで知れば、やる気になる。

Q医療の均てん化支援について
中山
2015 施行されて2年。石の責務が明確になった。今年の7月にーも発表された。連携。イメージ図。
日々の診療の中で全体の枠組みの中で捉える重要性。

武田
ヒルドイド問題 で動いていた加藤先生。美容に使うのとアトピーで使うのでは違う。エビデンスに基づく意見をかとうさんが出してくれた。

質問は、患者の声を届ける会で返答するのでメールください。

武川
震災時、シャワーが治療なんだとわかってくれる社会にしたい。
介護で埃っぽい状況にいることは難しいということが知られる社会にしたい。

 

関連情報:
健康を決める力
http://www.healthliteracy.jp/
”私たちは「誰もが、ヘルスリテラシーを身につけるには、どうしたらよいか」を考えてきました。そしてこのサイトにまとめました。読むだけで、ある程度のヘルスリテラシーについての知識が身につくようなサイトを目指しています。まだまだわかりにくいところや、不十分なところもあると思いますので、皆さんからたくさんのコメントをいただいて、改善していきたいと思っています。 サイト運営者中山和弘 聖路加国際大”

中山和弘 (@NAKAYAMAKazhiro) | Twitter

 


日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf

ソーシャルメディアがつなぐ/変える研究と健康Twitterを例に考える 中山和弘 聖路加看護大学教授
https://t.co/ZhabPBxrq6

見過ごされがちなアトピー性皮膚炎患者の精神的負担
医療従事者と患者をつなぐツールができた!―そらいろレタープロジェクト―
* 2017年07月14日公開
* (2017年07月14日更新)
https://ptweb.jp/article/2017/170714002237/

アレルギー疾患対策基本法・アレルギー疾患対策基本方針
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5159/00000000/betten1.pdf

厚生労働省 アレルギー疾患対策推進協議会 (アレルギー疾患対策推進協議会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-Allergy.html?tid=327078

アレルギー疾患医療提供体制の在り方について 平成29年7月アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172967.pdf

アレルギー疾患医療提供体制の在り方について(案)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000169652.pdf

書籍:
ヘルスリテラシー :健康教育の新しいキーワード 福田 洋 https://www.amazon.co.jp/dp/4469267953/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_qW-iAbNFHEBH3

患者中心の意思決定支援―納得して決めるためのケア 中山 和弘 https://www.amazon.co.jp/dp/4805836040/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_rX-iAb85HW3GW

これから始める! シェアード・ディシジョンメイキング 新しい医療のコミュニケーション 中山 健夫 https://www.amazon.co.jp/dp/478494639X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_pY-iAbE5C254P